暑さに負けて更新が滞ってました。多少涼しくなってきたので再開したいと思います。
前回からの続きで、昨年の夏の写真をお届けします。
光のシャワー
この写真をSNS に公開したところ、どうやって撮ったのか種明かしをと質問を受けました(リンク)。そこにも書きましたがクモの巣をレンズの直前において逆光で撮影したものです。本来見えない光そのものがクモの糸で分光されてそれが前ボケとして可視化されたのです。
クモの糸が光を分光し七色に輝くことは知っていたのであれこれ試していて撮れたものです。すでに先人の作例はあると思いますが、試行錯誤の結果こうした表現方法に行き着いたことに満足です。もっとも写真としていいかどうかは別問題ですが。同じ手法で撮った別の写真も掲げておきます。
(2018年6月2日 瓜生山にて)
光の条件、クモの糸の状態、位置などでさまざまな表情が現れます。
写真の表現を増すためにさまざまなフィルターというものが市販されています。レンズの前にねじ込んで、減光したりボケさせたり色をつけたり様々なものがあります。クモの糸、ないしはそれを模倣したフィルターを売り出せば結構売れるのではなどとも考えてしまいました。
(2018年7月2日 大文字山にて)
除夜の鐘というと、ここ知恩院の大鐘楼の情景がよく放映されます。法然の開いた浄土宗の大本山です。巨大な山門を額縁に階段を上る人を望遠で切撮りました。ちょっと人が多くてごちゃごちゃしすぎですね。
(2018年6月7日 知恩院にて)
京都府立植物園の池の端のコケの群落の中に小さなキノコが生えていました。コケと相性がいいヒメコガサでしょうか。
キノコは木の子とも書くように、木から栄養を摂取しているものが多いのですが、中には動物の糞や尿、昆虫(冬虫夏草)などから生じるものもいます。写真のキノコはコケとどんな関係を築いているのでしょうか?
(2018年6月9日 京都府立植物園にて)
まるで奈良公園みたいですが京都、宝ヶ池の風景です。
(2018年6月18日 宝ヶ池にて)
葉脈
葉の模様が面白く撮ったのですが、トンボがいいアクセントになってくれました。この写真は京都新聞のフォトコンテストで選んでいただきました(リンク)。
(2018年6月24日 京都府立植物園にて)
竹林の貴婦人
キヌガサタケというキノコです。こちらは竹林がお好み。府立植物園の竹林では毎年この時期に姿を現します。
キノコは植物とは縁遠い菌類の仲間です(ちなみに菌類は植物より動物により近縁です)。そして植物園が管理してこのキノコを育てているわけではないのでしょうが、このキノコが発生していると植物園も見頃の植物情報としてホームページで広報します。キノコらしからぬ奇抜な姿で隠れた人気者なのです。植物園の管理により健全な竹林があってキノコも発生できるわけです。キノコに限らず植物は全ての生き物の土台です。植物園はバードウォッチングの好適地であり、トンボ、蝶、蛙など生き物ウォッチングの適地でもあります。
ちなみに植物にとってキノコは寄生者で害をなす、時に弱らせ枯らす場合もありますが、逆にキノコに寄生されることでより健全に生育できる関係もあります。例えば松にとってマツタケが寄生することは根からの栄養の吸収が促進されむしろ望ましいものです。多くの植物は何らかの菌類とそうした双方にとってメリットとなる共生関係を築いていることがわかってきています。
(2018年6月26日 京都府立植物園にて)
日本原産のラン、フウラン(風蘭)の園芸品種は富貴蘭(フウキラン)と総称され、江戸時代から多様な品種が作出されています。この写真は植物園で催された富貴蘭展で撮影させていただいたものです。
始めてこのランを見たときはその繊細で清楚な花にびっくりしました。他の美麗なラン科植物と同様、フウランも自然界で自生している姿を見ることはほとんど不可能になっています。その原因は生息環境の減少というより園芸目的の採取が大きいでしょう。植物を愛し多様な品種を作出することは素晴らしいことですが、そのために本来の自生地で見られなくなるというのは残念なことです。
(2018年6月29日 京都府立植物園にて)
本ブログも続けていく予定ですが、更新は不定期です。気長に見守っていただければと思います。
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