撮りためた写真から、今年6月の京都の風景を2回に分けて紹介します。

 旧暦6月の別名が水無月(みなづき)。 梅雨の盛りに水無し月とはこれ如何に。 諸説あるようですが、有力な説は、「無」は「の」を意味する連体助詞の「な」であるとするものだそうです。 つまり「水の無い月」ではなく、「水の月」という意味になります。 これなら納得です。

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 平安神宮東神苑
 明治期に小川治兵衛により作庭された池に架かる橋は、泰平閣という京都御所から移築されたものです。 

(2017年6月2日 平安神宮にて)



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 ヤマボウシの花
 ハナミズキが庭木としてもてはやされていますが、別名はアメリカヤマボウシ。 つまりヤマボウシと近縁なアメリカ原産の花木です。 1912年にワシントンDCに送られたソメイヨシノの返礼として贈られたのが最初だそうです。
 一方、写真は日本原産のヤマボウシ。 ハナミズキに押されて知名度、植栽の度合いは低いですが、ハナミスキとよく似た清楚な白花は和風な趣きです。 そして大きな違いが秋になる実です。 ハナミズキは小さな赤い実が多数なりますが、ヤマボウシはより大きな実が一つなります。 そしてこの実が口に入れるとねっとりとした甘みがあり美味しいのです。 秋の八丁平などを歩いているとよくなっていて、口に放り込みながら歩きます。 また果実酒にも向いているようで試してみようとたくらんでいるのです。 一方、ハナミズキは食べられるのかもしれませんが、小さいので食べようという気になりません。 もっとも出会いは人様の庭木ということが一番の原因ですが。

(2017年6月3日 京都府立植物園にて)



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 緑のストライプ
 田植えの済んだ田んぼに6月の光が影と色を際立たせていました。

(2017年6月5日 京都岩倉にて)



 植物園二景

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 紫陽花
 6月といえば梅雨。 そしてアジサイ。 植物園でもアジサイが咲き出しました。

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 花菖蒲
 京都府立植物園のはなしょうぶ園です。 植物園は四季折々の花が咲くので、近年ブライダル撮影のメッカの如く様相を呈しています。 その多くは中国など海外のカップルです。 絶景ポイントを長時間占拠されたりするといい加減にしてくれという気にもなります。 日本人カップルも海外の観光地に出かけて同じようなことをしているのでしょうか? 

 写真のハナショウブ。 同じアヤメ科にはアヤメやカキツバタなど似たような植物があってややこしい。 アヤメは乾燥した土地、ハナショウブとカキツバタは湿地に咲きます。 しかし、ハナショウブもアヤメと総称されることもあるという具合。 さらに菖蒲湯でお馴染みのショウブとはアヤメ科でもないまったくの別な植物なのです。

(2017年6月9日 京都府立植物園にて)



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 虹のトンネル
 蜘蛛の糸が変幻自在な色に染まっています。 これは糸そのものの色ではなく、糸の微細構造による光の回折現象です。
 綺麗な写真を撮ろうと蜘蛛の巣があるとつい目を凝らすのですが、なかなか見事な虹色を見せてくれません。 糸自身、光の状態、撮影テクニックなどいろいろな条件が必要なようです。

(2017年6月11日 真如堂にて)



 南禅寺、蹴上界隈の風景から、

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 南禅寺水路閣
 今も現役で琵琶湖疎水の水が流れています。

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 蹴上インクライン(傾斜鉄道)
 高低差のある琵琶湖疏水の区間はこうした軌道の台車に船を載せて運びました。 こちらは現役引退。 今はすっかり観光資源です。

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 丸窓
 琵琶湖疏水の水はこの導水菅を通って右京区にある山ノ内浄水場に送られていました。

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 蹴上インクラインの終着点
 疎水の水が噴水となって吹き上がっています。 その向こうは京都市動物園。

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 巨大な輝き
 あまり見かけない金ぴかのモニュメント。

(2017年6月14日 南禅寺、蹴上界隈にて)



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 智積院青葉まつりで大勢の人がお庭に見入っています。

(2017年6月15日 智積院にて)



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 高~い煙突
 自転車で鴨川沿いの遊歩道を下流に走っていきます。 市街地のごみごみした雰囲気が消えて広々とした長閑な風景が広がってきます。 たいして高くない煙突も周りに何もないと圧倒的な存在感。

(2017年6月15日 鴨川にて)



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 赤外線の世界。
 新緑の綺麗なこの季節、つい赤外線で撮影したくなります。 新緑を本当に輝かしてくれるのです(撮影方法はこちらから、その1その2)。

(2017年6月16日 京都府立植物園にて)



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 早く登ってきなさい。
 カルガモの親子が見られる季節になってきました。 お母さんが堰堤の上に登っても、子供たちはそんなの無理と集団ボイコット。

(2017年6月17日 鴨川にて)



 真如堂の紫陽花二景

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(2017年6月18日 真如堂にて)