京都北山、その山中に数百年生き続けたモンスターが群生する。そんなモンスターに会いに行ってきた。
モンスターとは何のことは無い、杉の巨木である。杉(学名は
Cryptomeria japonica)は木材としての有用性から広く日本中に植林されているが、近年は花粉症の原因として忌み嫌われることも多い。しかし、日本固有種であり、屋久島をはじめ日本各地に天然林が存在する。長寿な木でもあり各地に巨樹が存在する。街道の並木として植えられたり、御神木として祀られていたりと日本人にとってはとても身近な日本を代表する木といえます。


京都の桂川といえば名勝地、嵐山を流れる川ですが、その源流は北山に端を発します。その桂川の支流のひとつ片波川の源流域は、原生的な自然環境が残る地域として、京都府の自然環境保全地域に指定されている。(詳しくはここをクリック)。その中に伏条台杉と呼ばれる、怪異な形態を持った杉の巨木が群生している場所があります。同様な伏条台杉は近くの井口山や北の芦生の森にも広く点在するが、ここ片波川源流域のものが、本数、密度など最も大規模なものです。


今回は、そんな片波川へバイクで向かう道中の景色を紹介しましょう。

いつもは通り過ぎてしまう洛北、岩倉にある妙満寺。見事なツツジの花が目に入り立ち寄ってみました。
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 日本の寺院には珍しい仏塔(?)が聳えています。中には金ぴかの仏像が。

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岩倉から鞍馬街道を北へ。貴船神社への分岐を折れ貴船神社を通過。せっかくだからと写真を1枚。
芹生峠のつづら折れの道を上がっていく。峠を越えて着いたのが芹生の里。

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ここも北山の隠れ里。桜やら梅やら花盛り。まさに桃源郷。

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ここも過疎化が進み廃校が。

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灰屋川沿いの道を北上、桂川本流に合流。程なく片波川に入る林道に入る(青線)。少し行くと西谷と東谷に分かれる。伏条台杉へは西谷方面に進むのだが、通行止めの標識が。西谷の林道に入り少し行くと再び分岐。ここでバイクを降り右の林道を歩いて進む(赤線)。ここからはがけ崩れで随所で林道が寸断している。車はおろか歩いての通過も一苦労。ほとんど歩かれていない模様。
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がけ崩れで寸断された林道。

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自然環境保全地域方面を望む。この付近は林業が盛んで天然林は植林帯に侵食されている。人の立ち入りさえ禁じている保全地域に立派な林道を通すとはいったいどういうことなのか?
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林道脇に立つ自然環境保全地域の案内板。オレンジが人の立ち入り禁止地域。緑の領域が伏条台杉の群生地域。

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伏条台杉群生地入り口付近にある案内地図。いくつかの杉には名前がつけられている。

なお伏条台杉群生地入り口掲示板には、
「違反行為防止のため、入山に際しては地元インストラクターの随伴を原則としています。」
とあることを付記しておきます。

次回に続く。